1 東京都医師会などは新宿区など都内約20カ所に新型コロナウイルスを検出するPCR検査所を設置する方針だ。保健所の相談センターが77カ所の検査拠点につなぐ今の仕組みでは電話が殺到し、速やかな検査に至っていない。このため、かかりつけ医が必要と判断すれば地域の医師が運営する検査所で対応する仕組みをつくる。全国に広がる可能性があるモデルだが、海外に比べて少ない検査が大きく増えるかどうかは不透明だ(日経4/15)。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO58070790V10C20A4EE8000/ |
東京都医師会の素晴らしい取組です。これでようやく、症状のある人や感染者の濃厚接触者が検査を受けれず、社会に広く、医療現場にまで感染を拡大させ、医療崩壊に至らしめている事態を改善を図ることができます。
政府・厚労省や東京都などの自治体は、諸外国と比べても桁違いにわずかしか検査をさせないことにより、感染を拡大させ、医療崩壊を招き、感染の全体像を把握できないまま楽観論に陥り、必要な対策をとらずにいました。明らかな「人災」です。こんな素人でもおかしいのではと思うことを長期間やっていた、政治家、役人、専門家の責任は極めて大きいものあります。マスコミに出てくる少数の方を除く医師・コメンテーターの方もそうでした。
私は2月25日の下記ブログから(SNSでも)検査をここまで限定するのはおかしいと主張し続けてきましたが、当初は多くの医師や保健所関係者等から「素人はこれだから困る。検査を拡大すれば医療崩壊が起るだろうが」と多くの反対意見を寄せられました。
感染者をトリアージして、無症状・軽症者を自宅や借り入れたホテルなどに隔離させれば医療崩壊は回避できるといっても、納得されない方が多かったです。
私は、このことについて、日本人には「お役所信仰」、「専門家信仰」、いわゆる「お上頼み」がやはり強いのだなと感じました。お上が、専門家の医師の方が言っておられることに反対するのは何事か、という意識です。自分で考えることをしないのです。一般人からはともかく、医師の方から多かったのには驚きました。
2 私は自分が役所に23年間勤務して得た最大の教訓は、「お上を信用しない」「自分のことは自分で守らなければならない」ということです。上記の私に反対した方は、お上を信用されておられるのでしょうが、厚労省・医療関連だけでも、今回の新型コロナウィルスへの対応のみならず、児童虐待問題、エイズ対策、ハンセン病対策等において、政治家、厚労省の役人、「専門家」(現場で奮闘されておられる医師の方のことではありません)の誤った対策により、救うことができた命が救えない事例は繰り返されています。児童虐待では、今でも、厚労省や半数程度の自治体(半数近くは私どもの意見を取り入れていただいています)、児童虐待の「専門家」といわれる医師は、私どもが6年にわたり国や自治体に要望している児童相談所と警察等関係機関が全件共有の上連携して子どもを守る活動を否定し続けたままです。
このような、普通に考えればおかしいと分かるはずの意見を、お上や専門家が言っているからといって、はいはいと受け入れてしまうような、国民性のままでは(マスコミがその最たるものですが)、今回のような事態が起こってしまうのです。PCR検査の在り方がおかしいだろうと私が声を上げてもどうなるものでもありません。もっと早期に、いろんな方が声を上げてくれれば、こんなとんでもないことには至らなかったのです。
今では西浦先生による素晴らしい研究成果とその公表など「専門家」の中からもようやく素晴らしい取組がなされ、東京都医師会によるPCR検査増など、政府・厚労省に任せていては、決してでてこないような素晴らしい取組がなされるようになりました。
あとは、満員電車、仕事での感染防止対策です。これについても上記の2/25のブログから言い続けておりますが、政府は企業に「お願い」するばかりで、一向に有効な対策を取りません。「お願い」してもやってくれないのなら、諸外国のように法律で強制するしかないのではないでしょうか。私はそれができるような法改正を主張していますが、政府はやる気はありませんし、マスコミも触れません。やはり「お上頼み」なのでしょうか。もっとひどくなればやらざるを得ないのです。今から準備しておかないと益々手遅れになります。
政府・厚労省・自治体のやっていることは果たしてまともなのか、おかしいと感じたら意見をどんどん言っていくという取組が今ほど必要なときはないと感じます。
現場で感染リスクを負いながら奮闘されておられる医師・看護師等の方に心から敬意を表させていただきます。