いつも「子ども虐待死ゼロを目指す法改正を求める署名運動」にご理解賜っておりますことに厚く御礼申し上げます。
今年に入り異常なほど子ども虐待死・虐待事件が続きます。
12月13日、厚木市で母親が7歳と5歳の子どもを殺し、警察に自首するという事件が発生しました。母親は児相と厚木市に子育てに悩み相談していたといいます。児相や厚木市は家庭訪問して母親の悩みを親身に聞き、必要な助言・支援等はしていたのでしょうか。厚木市を管轄する児相は理玖ちゃん餓死事件でもそうでしたが、これまでの児相の対応からして家庭訪問すらほとんどしていないのではないかと危惧します。母親からのSOSに対してどう対応したのか、児相と市はどう情報共有して、何度家庭訪問し、相談に乗り、どう支援したのか、検証されなければなりません。
関係機関が知りながら救えないという虐待死を防ぐためには、児相と市町村、警察等の関係機関が情報を共有して、人員を出し合って、頻繁に家庭訪問し子どもの安全確認と子育てに悩む親に対しては親身にのり必要な支援、指導を行うしかないのです。
2 同じ、2月13日、大阪府枚方市で、母親と内縁の夫がパチンコに行くため、6歳児を裸のまま浴室にいれドアを結束バンドで縛って開かないようにして監禁。浴槽の湯はぬるくなっており、男児は低体温症に陥るおそれもあったとされています。男児の泣き声を聞いた住民が110番し、警察官が駆けつけ、保護したとされています。
住民の方が警察に110番してくれたから助かったものの、児相に電話していたらどうなっていたでしょうか。大阪府の児相は、警察のように土日でも通常の対応はできませんし、すぐに駆けつけることなど到底できないのではないのでしょうか?
Facebookでも書きましたが、その大阪府では土日の通報の受理を民間に委託する方針と報じられています。こんな通報が入れば、児相から委託を受けた民間事業者は一体どう対応するつもりなのか?このような通報を受けた民間事業者は直ちに駆けつけて、場合によっては鍵を壊すなどして住居に入って、震えている子どもを助けることができるのか?
そもそも、児相にこんな通報がなされても、児相は対応できませんし、民間事業者ならなおさらです。一刻の猶予もないこのような事案、すなわち、24時間直ちに駆けつける態勢を有し、必要な場合には鍵を壊してでも住居に立ち入って子どもを救わなければならないという事案は警察にしか対応できないのです。
大阪府の児相は、虐待の通告を「相談」ととらえているようですが、本件のような通告は、命の危険のある子どもを助けてほしいという110番なのです。
大阪府の児相は私どもの求める警察との情報共有を拒否していますが、こういう通報が入った場合どうするつもりなのでしょうか? 警察との情報共有は拒否し、民間に委託して解決する問題でないことは明らかです。
私どもの求める、児相と市町村、警察との情報共有を実現し、特に子どもの命にかかわる案件については直ちに警察に通報する、という仕組みを整備するしかないのです。
あくまで児相が警察との情報共有を拒むなら、国民は子どもを守るため、直ちに駆けつけることができる警察に通報するしかなくなってしまいます。警察との情報共有を拒む今のままでは児相は虐待通報を受ける資格は本来ないのです。警察に通報しなければみすみす子どもを死に至らしめてしまう案件を抱え込むというリスクを平然と続けているのです。
児相はいい加減に自らの置かれている立場を認識し、他機関排除の体質を改め、関係機関との情報共有と連携しての活動に踏み出すことを強く求めます。
3 2月15日、静岡県で高校生の女子生徒が出産し、父親の高校生の男子生徒が死亡した赤ちゃんの遺体を自宅に持ち帰ったという事件が発覚しました。
周りが気づかず、大変悲劇的な結果となってしまいました。このような望まぬ妊娠をした妊婦をいかに把握して支援するかが、関係機関の情報共有と並ぶ大きな課題です。
私どもの求める法改正案では、医師がこのような望まぬ妊娠、若年妊娠など子育て困難と思われる妊婦を把握したときには市町村に 通報することを制度化することを求めています。そうすることで、養子縁組あっせん含め子どもも親も幸せになれる支援ができることになります。
しかしながら、本件もそうだと推測しますが、妊婦が医師のところにも行かないというケースでは対応出来ません。今まで以上に相談に行きやすい施設・窓口や夜間に対応できる電話相談窓口の態勢をより整備するぐらいしか思いつきませんが、自ら相談に来ない人、来れない人をいかに把握して支援するか、が大きな課題です。
4 さらに、2月16日、愛知県蟹江市で母親が4か月の女児を殺害する事件が、大阪府で生後2か月の男児を父暴行し、死なせたとして父親が逮捕される事件が、福岡県久留米市で16歳の娘に金魚の死骸30匹以上食べさせていたとして、母親と同居の男が強要罪で逮捕される事件が、発生しています。
これらの事件の詳細はまだ明らかでありませんが、私どもが求める関係機関の情報共有と連携しての対応、子育て困難な妊産婦に対する早期支援により、すべての事件が防止できるわけではありませんが、かなりの虐待死の未然防止や虐待のエスカレートを防ぐことが可能です。
是非、「子ども虐待死ゼロを求める法改正」を実現させなければなりません。