署名活動にご協力賜り誠にありがとうございます。
10月に入っても凄惨な子ども虐待は続いています。今月8日には、東京都足立区で4歳の次女に首輪をつけていた両親が、9日には滋賀県長浜市で小2の息子を鎖で監禁していた両親が、それぞれ逮捕されるという事件が明らかになりました。いずれも児相が関与していた事案ですが、足立区の事案は児相では、長い間家庭訪問もせず、一時保護もせず、さらに、親は死んだ次男を河口湖周辺に埋めたと供述しているような事件です。また、長浜市の事案では警察は学校からの通報により虐待を把握していましたが、報道を見る限り児相には通告するのみで鎖での監禁が男児の友達に発見されるまでは特段の対応をしていないようです。
私どもの訴える法改正を成立させることが急務だとますます確信いたします。
1 新たなご賛同者のご紹介
このたび、新たな賛同団体、賛同者として、
○医療法人財団正明会山田記念病院
○後藤高志((株)西武ホールディングス社長)
○安部修仁((株)吉野家ホールディングス会長)
○鎌田伸一郎(セントラル警備保障(株)社長)
○嘉納毅人(菊正宗酒造(株)社長、灘校理事長)
○堀義人(グロービス経営大学院学長)
○坂野尚子((株)ノンストレス社長)
○秋田正紀((株)松屋社長)
になっていただきました(敬称略)。誠にありがとうございます。多くの方のご賛同を得ることにより、署名活動の輪が広がり、政府に法改正の必要性を一層ご理解いただくことが可能になることと確信しております。なお、賛同者の方はこれからも順次ご紹介させていただきます。
また、10月12日、13日に兵庫医科大学で開催された「第3回タバコフリー学会」では、参加者への署名用紙の配布、署名活動のためのデスクを用意、主催者からの署名活動への協力依頼等をしていただき、当日大変多くの署名をいただきました。また、参加された多くの方から、ご自分の病院や職場で署名を集めていただけるということで、多数の署名用紙をお送りさせていただきました。誠にありがとうございます。厚くお礼申し上げます。
わたくしどもは11月2日午前11時30分から神戸の三宮センター街で、街頭署名活動を行う予定です。警察の道路使用許可はまだですが、詳細は決まりましたらお知らせいたします。
2 児相の案件抱え込み体質解消の必要性について
これまでのメルマガでも書きましたとおり、群馬県玉村町優将(ゆうすけ)ちゃん虐待死事件では、児相は関与しながら5ケ月も家庭を訪問せず、みすみす虐待死に至らしめました。児相の担当者は月1回程度家庭訪問していましたが母親から4月以降「子育ての時間が割かれるので訪問してほしくない」と要望されたことなどから訪問しなかったとされています(2014年9月2日朝日新聞)。
児相と母親との信頼関係が構築されていなかったということだと思いますが、これはいたしかたありません。ただ、母親に過去に別の兄弟に対する虐待により有罪判決を受け(その後死亡)、病院からの虐待通告があり、あざやけがあり、保育所も長期欠席しているような場合に、そのまま児相が案件を抱え込み、5ケ月もほったらかしにすることは到底許されるものではありません。
私どもが主張するように、この案件において児相と市町村、警察が虐待情報を共有し、児相のみならず、市町村や警察も家庭訪問していれば、いずれかの機関の職員が親の信頼を得ることができたかもしれませんし、市町村あるいは警察の目からみて、これは虐待の継続が懸念される、最悪子どもが殺されてしまう危険が高いとして、児相も一時保護という結論に容易に達しえたと思われます。
現在の児相が案件を抱え込み、市町村や警察と連携しないという状況は、虐待家庭の訪問をしない、あるいは間隔があきすぎてその間に殺されてしまうという問題のみならず、児相という一機関に虐待の継続の危険性、子どもに生じる危険性の判断を委ねてしまい、適正な一時保護が行われていないという問題も生じさせています。
児相は、一時保護という親と対立してでも子どもを守るという極めて重要な義務・権限がありながら、親の信頼を保ちつつ親に指導していくという役割もあることから、「親との信頼関係」ということを大義名分として、親に過剰に配慮し(要するに、親の言いなりになり)、「一時保護」の義務・権限を適正に行使せず、みすみす子どもを虐待死に至らしめているという失敗を数えきれないぐらい続けています。児相には、「親との信頼関係の確保」という大義名分により、親に適切な指導をせず、子どもを一時保護しない、という対応が正当化されてしまうという子どもの安全確保に極めて致命的な構造的な体質があるのです(本件でも親に面会拒否されたらそれきりにしてしまっています。)。
このような一時保護の義務・権限の適正な行使に構造的な問題を抱える児相にとって、市町村・警察と虐待情報を共有し、連携して虐待案件にかかわることにより、他機関の目が加わり、子どもの危険な状況、親の虐待の継続の危険性を的確に判断することが可能になり、一時保護の義務・権限を適正に行使することができるという効果が期待できます。児相が単独で対応していては、構造的に親の言いなりに流れやすい児相の職務はいつまでも変わりません。この10年間で児相の職員はかなり増えていますが、このような体質や対応は群馬の事件でも明らかなように全く改まっていません。
児相の体制を増やすことは必要ですが、児相が市町村や警察と連携しないままでは、いくら児相の人員を増やしても問題は全く解決しません。
子どもの虐待死を防ぐためには、何よりも、児相の案件を抱え込み、他機関と協働しない、通告した病院や市町村の意見を無視するなどの体質を改めるとともに、市町村・警察と虐待情報を共有し、できる限り頻繁に家庭訪問し、子どもの安全確認と親への指導・支援を行いつつ、他機関の目を入れることにより虐待の継続の危険性、子どもに生じうる危険性を親の言いなりにならず的確に判断するようにかえていく、改革していくことこそ必要なのです。
この改正は、児相の業務負担の軽減にもなり、厚労省や児相が反対することは決してないと思いますが、もし反対するとすれば、いろんな理屈をつけるのだと思いますが、本音の理由は、他機関と連携することの拒否、他機関の目が入ることの拒否ではないかと考えられます。そんなことは到底許されることではありませんし、そんなことは決してないものと思いたいですね。