1 前メールでご報告した、6月3日、千葉県市原市で、母親が10カ月の次女に食事を与えず放置し1月に死なせた事件を機に、再発防止のため、市原市、千葉県警察、千葉県、厚労省、警察庁に下記の要望書を提出しました。
市原市に対しては、要対協の実務者会議において、会議の構成員の間で、市、児童相談所、警察等が把握した虐待案件をすべて共有し、構成員が日常活動等を通じ被害児童が虐待を受け、あるいは虐待が疑われる危険な兆候がないか被害児童を見守り、それが認められた場合には直ちに警察等の構成員に連絡・共有するルールとするとともに、連絡を受けた警察が直ちに家庭訪問し、子どもの安否を確認し、けがをしている、衰弱している等の場合には子どもを緊急に保護する態勢を整備することを要望しました。このような態勢を整備していれば、この女児の命を救うことができました。児童相談所や市町村が案件を抱え込んだままでは、また、保護者から子どもとの面会を拒否されながらそれを放置したままでは、子どもの命は救えません。児童相談所や市町村の職員には面会を拒否する保護者も警察官の要請には応じるのです。高知県では10年以上前から保護者が面会拒否した場合には直ちに警察に連絡し、警察が家庭訪問し子どもの安否を確認しています。こういう態勢を取ることではじめて子どもを守ることができるのです。
野田市では、心愛さん虐待死事件を受けこのような態勢を整備しています。是非、市原市でも野田市にならって、要対協実務者会議の場で、多くの機関で情報を常に共有し、子どもの安否が確認できないなどの「危険な兆候」が認められる場合には、警察に直ちに連絡し警察が直ちに家庭訪問し、子どもがけが、衰弱等している場合には緊急に保護するという仕組みを速やかに設けていただきますようお願いいたします。
2 次に、千葉県では同様の事件が続発していますことから、千葉県警察には県内の全ての市町村に上記の態勢をとるよう働きかけていただくことを、厚労省、警察庁には、全国の市町村でその態勢を整備するよう全国の市町村にご指導いただきますようお願いいたしました。また、児童相談所、市町村、警察との間で情報共有も連携も不十分なまま虐待死事件を引き起こしながら、今でもほとんどそれを改めない東京都、札幌市、横浜市、兵庫県、香川県、岡山県、岡山市、福岡県、福岡市、北九州市、鹿児島県等に対して、本要望書を送付して同様の対策を講じるよう要望いたしました。
このままでは、いつまでも同様の事件が続き、救えるはずの子どもの命が救えない事件が続いてしまいます。多くの機関で全ての案件を共有の上、各機関の能力に応じて役割分担して、最大限の力を発揮できるベストの態勢を整備して、子どもの命を守らなければなりません。市原市、千葉県、東京都などはもとより、厚労省、警察庁は速やかに、上記の態勢を整備していただくよう強く要望いたします。