1 ようやく緊急事態宣言が出されたにもにもかかわらず、休業要請の対象で国と都が対立し、いまだ対象が決まりません。そんなことしている場合か。都がやると言っているのを国が邪魔してどうするのか。この遅れが致命的な拡大につながるのでないか。国の怠慢な不作為はここにきてやる気のある自治体の積極的な妨害に至っています。都は国の妨害にかかわらず、当初案どおりの広い対象に休業要請をしてほしい。補償をする方針を明らかにして(細部は後で決めることにして。とにかくスピードが命です)。
さらに西村担当大臣は7都県の知事に休業要請を2週間程度見送るよう打診した、小池知事は異論を唱えたが、他の6府県の知事は外出自粛の効果を見たい(福岡県知事)、補償とセットでなければ理解はいただけない(神奈川県知事)などと東京都のように休業要請は直ちには行わないようです(4/9中日など)。そんなこと言っている場合か。さすがに政府も補償はいずれすることになるでしょう(対象や規模は分かりませんが)。その方針が政府から出されるのを待ちさらに議論して内容が固まるまで時間をかけたり、外出自粛の効果を見たりしていていれば、手遅れになるでしょう。この緊急事態でこんなまったりした対応を見せられるとは信じられない思いです。この国のリーダーには「危機対応」の基本が全く欠落しています。「対応不足で死者が増えるより、過剰な対応と非難されるほうがいい」(映画コンテイジョンでの「専門家」のセリフ)という気概で取り組んでほしい。
2 緊急事態宣言が出された後も、満員電車はそれほど緩和されていないと報じられています(4/10TBS午前7時報道番組)。過去ブログで散々述べていますが、テレワークの「お願い」に応じることのできる企業は少ないですし、理解のない上司がいれば可能であっても部下の人は在宅勤務ができません。満員電車をさほど緩和させないままでは、医者・看護師など電車に乗って通勤していただかねばならない方々も含めて多数に感染させてしまうのです。これを政府が「お願い」で済ましてどうするのか。医療崩壊を招くだけです。これも散々述べていますが、企業に業種に応じて出社禁止・抑制、在宅勤務を命ずることができる法改正を直ちに行い、感染拡大に歯止めがかからないときに(早晩そうなることが予想されますが)発動することが必要と考えます。
3 これも散々主張しておりますPCR検査増です。東京都の検査は相談の2%にすぎず(4/5産経)、このような保健所の「検査させない」「追い返し」とでもいうべき対応により、自分が感染していると知ることができない感染者による感染拡大を招いてしまっています。保健所が人手不足というのなら保健所を通さない検査態勢を整備すればいいのです。特定の病院、あるいは病院である必要もないでしょうからドライブスルー方式などとにかく簡易な方法で、できるだけ早期に大幅な検査拡大―少なくとも安倍総理が言明した1日2万件の検査―を行うことが必要です。これは東京都医師会さまはじめ現場で体を張って頑張っておられる医師の先生方にうごいていただければ存じます。お役所はいつまでもしません。厚労省、東京都などの児童虐待のこれまでの対応から確信しています。
この「検査させない」とでもいうべき対応により、どれだけ感染拡大させてしまったのか。宮崎県のホテルに発熱や味覚症状、咳などの症状があり感染を懸念した男性が家族への感染を避けるためホテルに4月1日から6日まで症状を隠したまま「自主隔離」し、6日に検査し陽性と判明、ホテルは14日休業と莫大な損害を受け従業員、他の利用客に感染リスクを負わせています。症状のある人が広く検査を受けることができる制度としていれば、この男性もこんな対応をしなくてよかったのです。
4 政府の対応は「不作為」(検査をごく狭く限定する、緊急事態宣言を出さないなど)から「積極的な妨害」(やる気のある東京都にストップをかけるなど)に至っており、こうした措置により結果的に感染者を拡大させ、死者を増やすこととなっていると言わざるを得ません。「専門家」の意見に従っただけというのは責任を免れる理由はなりません。適切でない意見に従ってはならないのです。検査の限定も、休業要請の対象の限定も、明らかに他国と異なる対応であり、国内でも疑問を呈していた方は(私も含めて)多数いたわけですから、それに従っただけというのでは政府・自治体の責任ある立場の方に「過失がなかった」とはいえないのではないでしょうか。やはり厚労省が関わった薬害エイズ事件や結愛ちゃん事件、心愛さん事件等児童相談所の不作為で救えるはずの命を救えなかった多くの虐待事件を連想せざるを得ません。ここから先は愚痴ですが、私どもが6年も活動しているのに、いつまでも厚労省や多くの自治体(児童相談所)の役人の不作為(縦割りで警察とも情報共有も連携せず、甘いリスク判断をしては緊急に動くべき時に動かず子どもの虐待死を防げない)の体質―緊急に命を救わなければならない状況なのに、リスク判断が甘く対応が極めて遅いという体質ーを放置しているから、このような緊急事態になっても彼らは同じような対応をするのです。これまでの厚労大臣や東京都、千葉県・千葉市、兵庫県、福岡県・福岡市などの知事等の政治家、それを批判しないマスコミ関係者はよく考えていただきたい。手遅れになってしまいそうですが。
現場で感染のリスクを負いながら治療に当たっていただいている医師・看護師らの方々には心から感謝申しあげます。