1. 3月19日に心愛さん虐待死事件の父親の判決が出された日に、千葉県・千葉市に3度目となる児童相談所に市町村、警察との全件共有と連携を求める要望書を提出しました。
ちょうどその日に、千葉県松戸市の1歳児虐待事件につき千葉県の児童虐待担当課の次のような驚くべき対応を報じる記事(下記URLは千葉日報記事)が載っていました。概要は、3月18日に松戸東警察署が病院から通報を受け1歳男児の顔を殴り鼓膜を破ったとして母親を逮捕した事件があり、本件に昨年夏から児童相談所が母子に関わっていましたが、マスコミの取材に対して、所管する県児童家庭課は「対応が適切だったかも含め、個人情報なので一切答えられない」と回答したとされています(赤字部分は産経記事)。
おそらく記者は、児相が昨年夏に関わった時点で警察と情報共有し連携して対応したのかということも含めて対応状況を質問したのだと思いますが、千葉県の児童家庭課は「一切答えられない」と対応しています。警察と情報共有していれば、記者からの質問に対して「警察とは情報共有して連携して対応していました」と言えばいいわけで、おそらくしていないのだと思います(千葉県児童家庭課長さま、間違っていましたらご連絡ください。速やかに訂正いたします。以下は私の推測どおりであることを前提)。それがばれると、私どもからのみならず、多くの同じような懸念をお持ちの多くの方から、「だから全件共有するべきだと言っているでしょう」と責められるのを恐れてこういう対応をしているのではないでしょうか。心愛さん事件で警察と情報共有もせず、信じられないほどずさんな対応で心愛さんを虐待死に至らしめた千葉県は、1年以上たってもこういう対応です。
千葉県のこの対応は、児童虐待対応に当たり関係機関と連携しないという閉鎖的対応をしているという問題を超えて、行政に都合の悪い情報は公表しない、行政の透明性、説明責任を頭から無視した、(事実であれば)とんでもない対応です。
私どもは千葉県知事、副知事、部長等々に警察との全件共有と連携しての対応を何度も要望していますが、彼らは全く児童家庭課や児童相談所に指導しようとしません。愛知県、神奈川県、神戸市等多くの知事・市長さんは私どもの説明を聞き、部下である児童相談所に改めるよう指示していただきました。しかし、千葉県の知事は(東京都や福岡県、福岡市、兵庫県などの知事市長もそうですが)下の言うがままなのです。知事・副知事・部長らは部下のこんな行為まで容認するのでしょうか。千葉県にはガバナンスもへったくれもありません。厚労省もこれを容認してはだめでしょう。全国で無茶苦茶なことになりますよ。
2 千葉県、千葉市のほか、警察と情報共有と連携しての活動もしないまま、
〇結愛ちゃん事件、愛羅ちゃん事件、玲空斗ちゃん事件、海渡くん事件等を引き起こした 東京都
〇結愛ちゃん事件を引き起こした 香川県
〇詩梨ちゃん事件を引き起こした 札幌市
〇璃愛来ちゃん事件を引き起こした 鹿児島県
〇あいりちゃん事件等を引き起こした 横浜市
〇福岡県田川市エアガン虐待死事件、北九州市男児虐待死事件、筑紫野市女児虐待死事件等多くの虐待死事件を引き起こし、あるいは父親か子どもを殴るのを見ながら児相職員がそのまま帰るなどの対応をしている 福岡県、福岡市、北九州市
〇伊丹市・三田市女児虐待死事件等多くの虐待死事件を引き起こした 兵庫県
にも、再度、再々度の要望書を提出しました。
下記ホームページ記載のとおり、私どもの調査では現在34の自治体で全件共有が実現しており(市長が実施を表明、前向きに協議中を含む)、児相設置自治体の70の半数近くに上ります(HPを更新しました。ご一読ください。)。
しかし、とんでもない事件を引き起こしたこれらの自治体ほど私どもの要望に応じません。1回の家庭訪問で「これは虐待でない、緊急性がないから警察と連携しなくていい」などと神ならぬ人間の身で分かるはずがありません。そのように軽信した事例で、虐待の継続や最悪虐待死が起こっているのですよ、あなた方はまさにそういう失敗をしているではないですか、といくら説得しても応じません。
千葉県松戸市の1歳児虐待事件もそうではないのでしょうか。それで改めるならともかく、隠ぺいに走るというのは、暴走としかいいようがありません。千葉県民はここまで無関心でいいのかと思いますし、マスコミにはしっかりと追及していただくことを期待します。