ブログ145 神戸市に組体操の禁止、いじめ・暴力・虐待から子どもを守る取組を求める要望書提出し記者会見しました

投稿日:2019年10月20日|カテゴリ:講演

 本年(2019年)10月15日、神戸市教育委員会あてに、学校の運動会で負傷する児童を多数出しながらいまだ続けている組体操の禁止、及び東須磨小学校事件にみられるような教師による集団暴力事件を引き起こす体質を改善し、学校でいじめ・虐待から子どもを救い守る活動を行うことを求める要望書を提出し記者会見しました。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20191015/2020005187.html

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201910/0012791921.shtml

1 神戸市の小中学校ではいまだ運動会で組体操が行われ、今年8月末から10月5日まで市立小中学校30校の児童生徒51人が負傷し、うち6人が骨折、昨年度までの3年間に123件の骨折事故が起きたと報じられています。学習指導要領に記載がない組体操を児童生徒にやらせるのは教師の個人的好みとしかいいようがなく、安全なものであるならともかく、諾否の自由のない児童生徒に大けがや死亡させるリスクを背負わせてやらせることなど許されるものではありません。かかる神戸市の学校現場の対応は、教育の名のもとに子どもに危険な行為や体罰、しごき、暴言等も許されるという考えが根深く残っているからではないかと推測され、組体操以外にも子どもに危険な行為や体罰、しごき、暴言等が蔓延していることが強く危惧され、報告も一部しかなされていないと推測されます。そこで、部活動、体育、授業等の場における組体操等教師による危険な行為や体罰、しごき、暴言等を禁止することなどを要望しました。

2  東須磨小学校において4名の教師による若手教師に対する犯罪に該当する行為も含まれる集団いじめ・暴力事件が発生しましたが、校長が教育委員会に報告せず、過去に加害教師が児童を骨折させる、児童に暴言を吐くなどの言動が明らかになっていますが、これまで処分も公表もされていません。神戸市では本年に入り、2016年のいじめ自殺事件の調査資料を教育委員会幹部が隠ぺいしたことが発覚したばかりです。このような学校現場、教育委員会の体質・風土のままでは、子どもたちをいじめ・暴力・虐待から救い、守る対策など真面目に取り組まれるはずもありません。そこで、学校において子どもをいじめ・暴力から守り、併せて家庭で虐待を受けている子どもに気づき、市、警察、児相と連携して子どもを救う取組を要望しました。

 千葉県野田市心愛さん虐待死事件で明らかになりましたが、学校で行われているいじめアンケートで家庭で虐待を受けており助けてほしいという訴えがかなりなされています。学校は、いじめのみならず、虐待を受けている子どもからSOSを受け、虐待から子どもを救う極めて重大な責務を負っています。このような責務を果たす学校で、教師が同僚に集団で暴力事件を起こしてどうするのか、ということです。

 特に、いじめや虐待を受けている児童生徒の訴えに真摯に応える対応が何より必要です。いじめを受けた児童生徒が被害を訴えやすくするため、定期的なアンケートの実施、投書箱の設置等行い、訴えがなされた場合には、被害児童生徒の訴えを真摯に聞き、下記に従い被害防止に全力を尽くし、被害児童生徒の切実な訴えに必ず応えることが必要です。学校が対応をめんどうくさがり、からかい、ふざけあい、けんか、トラブルであるなどとして、門前払いすることがよく見受けられますが、決してそのような対応をせず、すべてをいじめ・暴力として認知する必要があります。
 

 また、学校のアンケートで家庭で虐待を受けているとの訴えがなされることも少なくありません。かかる訴えがあった場合には学校で案件を抱え込まず、本年1月千葉県野田市心愛さん虐待死事件を貴重な教訓とし、「学校・教育委員会向け虐待対応の手引き」(文部科学省令和元年5月9日)に従い、児童生徒が暴力を受けていると訴えている場合、傷が認められる場合、虐待を受けているおそれのある子どもが長期間欠席した場合等には直ちに警察に通報し子どもの安全を図る必要があります。また、川崎市上村君殺害事件を貴重な教訓とし、学外の非行少年から被害を受けていることを把握した場合にも警察に直ちに通報することも必要です。
 学校も児童相談所と同様、案件を抱え込んで、危険な状況に置かれている子どもを警察等と連携して救うことをしません。このような体質を改善することを強く求めてまいります。

 さらに、このような神戸市の対応は、個人的、一時的な問題ではなく、長年の学校・市教委の体質、風土―他機関の意見・関与を排除して対応し、その結果子どもを守れなくとも問題なし、改善する必要なしとする閉鎖的・独善的体質(多くの児相にも共通)―によるものと言わざるを得ません。教師、学校、市教委の自主的な対応に委ねては改善は期待できず、条例の制定が必要でないかと考えており、市議会に対して条例の制定について検討を要望しました