ブログ112 政府の緊急対策と私どもの「関係機関連携のためのガイドライン」

1 結愛ちゃんの命を無にしないためにも、児童相談所と警察の全件情報共有と連携しての活動を求める署名運動を始めました。下記クリックの上ご賛同と拡散お願いします。

https://www.thinkkids.jp/

2 本日(平成30年7月20日)、政府から緊急対策が発表されましたが、児童相談所の職員の増員など適切な施策も少なくありませんが、子どもを虐待から守るために不可欠な関係機関の必要な連携、特に児童相談所と警察との全件情報共有が含まれていないことは大変残念です。これでは、いつ目黒区結愛ちゃん事件と同様、児童相談所が知りながら警察と連携せず救えるはずの命が救えない事件が起こっても不思議はありません。
 私どもの要望事項である全件情報共有を実施する府県は、昨日発表された大阪府を含め6府県に上っています。私どもは、引き続き政府、自治体に子どもを守るために不可欠な関係機関の連携方策、特に児童相談所と警察との全件情報共有を求めてまいります。

 この度、私どもの基本的な考え方を、別紙のとおり「Working Together 関係機関が連携してがんばろう」の基本理念に基づく関係機関連携のためのガイドライン」(「本ガイドライン」といいます)としてとりまとめました。
 「Working Together」とはイギリス政府の児童虐待対応のガイドラインの題名にもなっているものですが、その名のとおり、児童虐待は一つの機関ではなく関係機関が連携して取り組まなければならないという理念のことをいいます。本ガイドラインは、この理念に基づき、各自治体において児童相談所、市町村、警察、病院、学校・保育所、保健所等子どもを守ることができる立場にある機関が、情報共有の上各機関の能力、役割を最大限に生かし連携して活動するための方針、考え方を示したものです。

 昨日大阪府で全件共有を実施する旨公表され、現時点で6府県で児童相談所と警察との全件情報共有が実施されることとなり(実質的にかなりの情報共有をしている県は他にもあり、明石市や姫路市など多くの市町村で全件共有は実施されています)、これらの自治体でWorking Togetherに向けた取組みが進められることとなりました。全件共有はその第一歩です。
 本ガイドラインは、これらの自治体におかれてはその参考としていただき、現場の実情に応じて各機関で協議して最善の「各機関が連携して活動するための方針」(本ガイドライン記2)をお作りいただければと存じます。その一助となれば幸いです。また、東京都には条例制定の参考としていただければと存じます。
 関係機関が信頼関係を構築して連携すれば、子どもを守るために様々な効果的な取組ができることになります。これには、深夜徘徊や家出少年の保護、性犯罪・性虐待を受けた子どもたちへの支援など児童相談所と警察が連携すればより適切に行えることを記載していますが、これらはほんの一例です。各自治体で関係機関の信頼関係が構築され連携が進めば、さらに進んだ様々な子どもたちを守る取組ができると思います。
 本ガイドラインは、連携の進んでいる府県の児童相談所や市町村、警察、私どもにご賛同いただいている日本医師会、東京都医師会、日本小児科学会、東京都看護協会その他の医療関係者や教員、保健師、児童養護施設や児童福祉司の現職・OBの方々のご意見をうかがい今後適宜改定してまいります。

 このような取組により、児童相談所の一極集中、「介入」と「支援」の双方を担わされている矛盾も解消される方向に向かい、児童相談所でないと取り組むことができない「支援」の分野、すなわち虐待されている子どものケア、里親委託、特別養子縁組などの業務により注力でき、多くの子どもたちの幸せにつながるものと考えております。

 私どもは、引き続き政府、自治体に「Working Together 関係機関が連携してがんばろう」の理念に基づき、子どもを虐待から守るために不可欠な関係機関との連携方策、特に児童相談所と警察との全件情報共有を求めてまいる所存です。ご理解ご支援賜りますようお願い申し上げます。