いつも「子ども虐待死ゼロ」を目指す法改正の実現に向けた活動にご理解賜り誠にありがとうございます。
このたび、小池都知事が代表を務める希望の党が公約を発表し、そこに12のゼロを目指すとして、「花粉症ゼロ」という語句がニュースに流れましたので、「子ども虐待死ゼロ」も当然入っているかと一瞬期待しましたが、入ってませんでした。「満員電車ゼロ」とか「電柱ゼロ」とかは入っていましたが。
政治として何をゼロにすべきかと国民に向けて訴える際に、12ものゼロを目指すとする施策の中に「子ども虐待死ゼロ」が入っていないことに愕然としています。子ども虐待問題はそこまで重要度・優先度が低いのか、花粉症で困っている人が多いと言っても、どう考えても「子ども虐待死ゼロ」の方が比較にならないほど大事でしょう。満員電車ゼロも電柱ゼロも同様です。3年以上、「子ども虐待死ゼロ」を目指し署名運動・ロビー活動を続け、それなりにマスコミにも報道されながら、政治家の頭には思いも浮かばないようです。
舛添知事時代ですが、葛飾区あいらちゃん虐待死事件、足立区ウサギ用ケージ監禁虐待死事件など児童相談所が案件を抱え込み、みすみす虐待死に至らしめた事件が都内で続き、いずれも警察と情報共有しさえすれば殺されることのなかった事件であったことから、平成27年6月東京都知事と東京都公安委員会あてに、子ども虐待死ゼロを目指すため児童相談所と警察との情報共有と連携しての活動を求める要望書を提出しました。
もちろん警視庁は全件情報共有に前向きで警視庁からの積極的な働きかけを受けて、平成28年10月、ようやく東京都の児童相談所は警視庁に情報提供するようになりましたが、それでも児童相談所は提供する事案を一時保護解除事案に限定し約5%しか情報提供しようとしません。今年の2月に私が都庁の担当課長に、「これでは葛飾区や足立区のような事案は情報共有の対象とならず、再発防止にならない。全件情報共有すべきだ」と申し入れても拒否されたままです。
私は「あきらめませんよ、もっと上の方に要望しますよ」と言っても役人は平気の様子でしたが、ようやく理由が分かりました。トップに関心がなければ、もともとやる気のない役人は絶対にやりません。
縦割りが強く、閉鎖的な体質の児童相談所は元々他機関との連携を拒否していることから、政治家に働きかけるしかないのですが、今回の件には愕然としました。政治家にとり、「子ども虐待死ゼロ」は「花粉症ゼロ」よりも重要度小、優先度小なのです。
しかし、愚痴を言っても始まりません。
先週には、茨城県の子ども家庭課を訪問し、警察との情報共有をお願いしました。実は、茨城県警察は子ども虐待防止に大変積極的で、居所不明児童について警察から市町村に聞いたうえで警察自らその所在と安否を確認しています。このような素晴らしい取組をしている茨城県警察と児童相談所が情報共有し、連携して子どもを守る活動を行えば、茨城県における子ども虐待問題はかなり改善するものと確信しています。茨城県さんには是非受け入れていただきたいと念願しております。
このほか、既に要望書を提出した兵庫県・神戸市、大阪府・大阪市・堺市、愛知県・名古屋市、埼玉県・さいたま市にも引き続き働き掛けています。いずれの府県警も前向きなのですが、今までのやり方を変えたくないと警察との連携に極めて消極的な児童相談所を説得しているところです。ちなみに、多くの府県では県庁の担当部局長さんは「私はいいと思うのですが、現場の児相がウンといいません」という対応が多く、現場を説得できないようなのです。また、今週には、千葉県と千葉市の児童相談所担当部局を訪問し、警察との情報共有を要望する予定です。東京都にももちろん行く予定です。
あきらめずに粘り強く訴え続けていく所存です。