平成29年2月23日、児相と警察の情報共有を求める下記の要望書を厚労省と警察庁に提出し、同日、厚労省記者クラブで記者会見いたしました。
https://www.thinkkids.jp/wp/wp-content/uploads/2017/02/2017223.pdf |
次の産経、ハフィントンポスト記事をご参照ください。
https://www.thinkkids.jp/wp/wp-content/uploads/2017/02/20170224.pdf https://www.huffingtonpost.jp/2017/02/23/think-kids_n_14970636.html |
今回の要望は、児童相談所と警察の情報共有の制度化に絞って提出しました。
昨年の法改正で、私どもが提出した5項目の要望のうち、ハイリスク妊婦の医師等の通報義務が受け入れられ、残り4項目となりましたが、児童相談所の警察の情報共有については、虐待死の防止に直結する取組であること、大阪では大阪府警の積極的な取組が図られ、連携が進みつつあり、国の理解も得られやすくなっているのではないかとということから、情報共有に絞った要望書といたしました。
これまで10県近くの児相の方に情報共有をお願いしていますが、いずれも受け入れられていません。
しかし、私から添付資料のような情報共有のメリット、子どもの安全が格段に確保されることを説明しても、受け入れてもらえず、かといって、情報共有ができない理由(まともなもの)を説明してくれた方は誰もおらず(「福祉職は警察と連携してはいけないんです」、という意味不明な反対意見を言われた方はいましたが)、「必要なことはやっています。これ以上は必要ありません」というばかりです。要するに、「妥当でない」のではなく、お役人言葉の「必要なことはやっています」イコール、「法律で義務とされていないないことをわざわざやる気はない」ということなのだと実感しました。
児童相談所が知りながら虐待死を防げなかった事例は10年で150件に上り、その中で、警察と情報共有していれば救えたはずの命は多数に上ります。「普通」なら、自分の県でそのような事件が起こったら、再発防止のため児相と警察等関係機関の情報共有と連携した活動に取り組むはずです。しかし、そのような取組は平成20年の高知県以外私の知る限りありません。多くの自治体は、われわれが考えるような「普通」のところではないのです。「法律で規定されてもいないのに、めんどくさいことはやらない」がまかり通るところなのです。
東京都は私どもから一昨年6月に提出した要望を受け、昨年10月に一時保護解除事案に限り(全体の約5%)警視庁に情報提供する取組を始めました。しかし、葛飾区愛羅ちゃん虐待死事件、足立区ウサギ用ケージ監禁虐待死事件はいずれも一時保護にすら至っておらず、児相が安全と判断していた事案です。そこで、私は、2月14日に東京都の家庭支援課長さんに面会し、両事件など一時保護にすら至らない案件で虐待死が相次ぎ、情報共有されていれば救えたはずの事件が東京都内で続けて起こっているのだから、全件の情報共有をお願いしましたが、拒否されました。課長さんは、法律が制定されたらする、これ以上は自主的にやるつもりはないということでした。これがほとんどの児相の本音だと思います。
法律で義務化するしかないのです。このことは厚労省の幹部にもお伝えしています。
官邸や各党の政治家の方にも、このような経緯もご説明の上働きかけてまいる所存です。